2019年度(2020年3月迄)、弊社が関わらせて頂いた支援事業の中で、教育機関と事業者支援機関との連携事業について、ご紹介します。
「長崎総合科学大学 × 長崎市北部商工会 連携事業」
長崎総合科学大学(以降、長総大)は、県内でも唯一の私立総合理工系大学です。
今回、関わらせて頂いた「総合情報学部 マネジメント工学コース」では、積極的に地域産業の事業者と学生の接点を広げており「リアルな現場の声」を学習の場とすることで、学生の自主的な活動から、今後の社会で活躍できる人材を育てている教育機関です。
今回、参画した事業者も【新たな気づき】を得られる、そんな「大人も学べる、地域密着型の学び舎」です。
長崎市北部商工会は、2019年4月に、長崎市内の「三重地区」「琴海地区」「外海地区」の3つの商業地区を統合した新しい商工会です。地域の商工活動を支える重要な事業者支援機関であり、昨今の消費低迷や事業持続化が困難な状況に対して、既成概念に捕らわれず、今までにない取り組みをチャレンジし続けておられる商工会さんです。
そんな魅力的なお二方から、IT導入支援専門家としてお声をかけていただき、喜んで参画させていただきました。
(長総大さんとは前年の2018年からゼミ講師の形で参画させていただいております)
2019年度 連携事業の本格稼働(弊社参画)は夏過ぎ頃からで、大学・支援機関・事業者三者の初顔合わせでは、初々しい学生さんの対応に終始和やかなムードで始まった記憶があります。
初回顔合わせ以降、ウェブミーティング主体が多い弊社では、学生さんへの社会勉強を兼ね、この顔合わせ以降は【リモートワーク】で事業を進めさせていただきました。(まさか、2020年1月以降、新型コロナの影響でリモートワークが現在のように加速するとは思ってなかったです💦)
産学官連携事業ですので、取り組む課題は「支援機関が抱える困りごとを解決する」ことを目的にスタートしてます。(その結果、地域の事業者支援へと繋がっていきます)
1)事業計画書作成支援システムの開発
商工会では、国や県などが中小企業支援の施策として行っている様々な補助金・助成金へ申請作業を支援している。補助金申請には、個々の事業者に合わせた申請書の作成が必要となる。その一部として「事業計画書」があるが、記載すべき内容が複雑で、一般事業者は勿論、支援機関の中の方でも大変な思いして作成している。この作業の中で「標準(テンプレート)化 可能な項目」を抽出し、システム化することで、一般事業者でも入力可能な操作性(UI/UX)を実現していく。
2)中小企業向け補助金・助成金の一覧表(データベース)開発
商工会では、中小企業への様々な補助金・給付金を、個々の事業者要件に合わせ提案している。しかし、補助金・助成金事業は、縦割りされた行政機関それぞれで行っており、数ある補助金・助成金の中から、個別要件に対応した制度を読み解くのは大変な労力となっている。全ての補助金・助成金を一括登録が可能で、抽出条件によって対象の制度のみ表示できれば、調査時間の大幅短縮となる。
3)新生三地区向けの情報発信ツール:長崎市北部商工会ポータルサイト開設
新しく誕生した「三重・琴海・外海」地区の商工支援機関として、情報発信を整備する必要がある。県内商工会組織の統一サイトは存在するが、標準化された構成の為、特色を出すことが難しい。1)や2)の情報発信を含めた、今後の長崎市北部商工会のオリジナリティを地域内外に提供していきたい。
これら3つを「2019年度 取り組む課題」として、産学官連携事業はスタートしました。
活動・開発の主体となるのは、あくまでも「学生」です。
当初は、商工会や地域事業者への取材・リサーチから「利用者が求めている利便性」や「使いたくなる工夫やアイデア」を体験から学び取ってもらいたかったのですが、新型コロナの影響もあり、リアル取材活動にも制限が及び、可能な限りオンラインによる活動を進める流れとなりました。(Zoom、LINE動画チャットなど)
結果的に、現在のコロナ禍において、リモートワーク推奨の動きが増えるなか、参加された皆さんの実体験より「オンラインで出来る働き方」について、各々考え・気づいて行かれたことは、地域のIT導入支援を行う弊社にとっても、大変貴重な経験値となりました。
そして、新型コロナの影響が本格化し始めた2019年度末(2月~3月)のローンチに向け、LINEやZoomを駆使して、学生さん達とほぼ毎週のようにオンラインミーティングを重ね、機能限定ではありますが、何とか形にすることが出来ました。
(最終的には、けっこうな”大人の助力”がありましたけど。。。関係者の皆様、本当にお疲れさまでございました。🍀)
上記サイトは県内商工会統合サイトの長崎市北部商工会ページのトップにリンクされております。
(※:現在は機能限定版で、2020年度にバージョンアップ予定です)
最後に、教育機関との連携事業ですので、大学側ではコロナ禍で大変な状況のなか、卒業研究発表会が行われ、2019年度の学生さん達は、各々社会へと巣立っていきました。
コロナ禍で、就職活動や卒業式、場所によっては入社式等も困難だった学生さん。
今回の経験は、私たち大人ですら経験したことの無い状況です。
この困難にいつも「希望」を持って立ち向かっていた姿に、私たち大人の方が勇気をもらえました。
この経験をもってすれば、今後の社会生活も大丈夫。自分たちが「やってみたいと思うこと」を既成概念に捕らわれず、どんどんチャレンジしてみてください。令和の社会は皆さんが創っていきます。私も大いに応援しますっ!
研究論文公開(2020年6月24日)
補助金申請支援サイトの開発|長崎総合科学大学 学術機関リポジトリ
コロナ禍で手探りのなか、2020年度の産学官連携事業もスタートしています。
今年度も、変化を楽しみながら「今できること」を皆さんと共創して参ります!
今後の弊社の活動にもご期待ください。